[ 市場レポート ]
【単月訪日数】中国人観光客、5月として過去最高の51.7万人、2月から伸び率は2%台で推移
最終更新：2017-06-29 18:20:06市場レポート
日本政府観光局（JNTO）によれば、2017年5月の訪日外客数（推計値）は前年同月比21.2%増の229万5千人と、2016年5月の189万4千人を上回り、5月として過去最高となりました。これにより5月までの累計は1,141万1千人となり、過去最速で1,000万人を超えました。訪日中国人外客数（推計値）については、前年同月比2.0%増の517,100人で、5月の値として過去最高を記録しています。訪日外国人全体に占める5月の中国人観光客のシェアは、前年同月の26.8％から約4%減少の22.5%となっています。
2017年5月の中国市場は単月で50万人を超えたものの、伸び率は1桁台にとどまりました。今年に入ってからクルーズ需要の高まりが指摘されているものの、中国からの欧米へ向かう航空券の価格が下がった影響や日本への航空座席供給量の伸び止まりの影響が懸念されてます。JNTOは、今後も市場動向に応じた訪日旅行プロモーションを実施し、訪日意欲の喚起を図っていくとしています。
訪日インバウンドの主要市場である中国は、かろうじて今月も5月の値として過去最高を記録しましたが、2017年2月以降続いている伸び率2%台の状況には変わりがありません。中国国家旅游局の試算によれば2016年の中国からのアウトバウンド客は前年比4.3％増の延べ1億2200万人とされており、2017年は前年比4％増の延べ1億2300万人に達すると予想されています。今後ますます中国のアウトバウンドが拡大する中で、国際観光地の一つとしての日本の立ち位置が重要となりそうです。