【フォトレポート】 カナダ・プリンスエドワード島におけるレンタカー観光

 広大な国土面積を有するカナダにおいて、自家用車は生活必需品の一つである。旅行者にとってもレンタカーを利用した観光は、旅の自由度が高まり公共交通のスケジュールやルートに縛られず観光できるメリットがある。今回は日本では『赤毛のアン』の舞台として有名なカナダ・プリンスエドワード島の事例を取り上げる。日本からの観光客はツアーを利用することの多いプリンスエドワード島だが、実はレンタカーを利用した観光が盛んな地域でもある。
 1枚目の写真はプリンスエドワード島内に設定されたドライブコースの名称とコースごとに決まっているロゴマークが表示された案内板。プリンスエドワード島は主に3つの地域に分けられ、地域ごとに島の見どころをまわるドライブコースが設定されている。ドライブコース上にはこうしたロゴが描かれた案内表示が設けられ、ルートを辿っていることが視覚的に把握できるようになっている。一見同じ表示が左右に並んでいるように見えるが、左が英語表記、右がフランス語表記となっている。

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写真1 プリンスエドワード島最北端のノースケープを目指すルート

 プリンスエドワード島の観光施策で特徴的なのが、レンタカー観光に特化したルート設定とルートマップの提供である。市内や空港の観光案内所で無料配布されている地図はインターネットからダウンロードすることも可能なほか、写真2のようにドライブルート上に設置された案内板で確認することができ、時には一般の農場や農家が観光案内を提供している所もある。より詳しい情報を得たい場合に備えて、URLや電話窓口の情報が記載されていることも確認できるだろう。

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写真2 ドライブマップが掲示された案内板と無料でもらえるドライブマップ(右上)

 レンタカー観光は旅行者にとって観光の自由度が上がるという利点があるが、それは地域にとっても観光客の訪問地が多様化するというメリットがある。日本では外国人旅行者の地方誘致が課題として議論されているが、観光の効果を有名な観光スポット以外の地域に波及させる方策として、レンタカー観光が一つの切り札になるだろう。写真3に見えるのはプリンスエドワード島東部の街ジョージタウンに設置された案内板である。カナダ東部をめぐるドライブルートの地図が示されているのはもちろんだが、ここで注目したいのはジョージタウンの成り立ちが書かれている点である。ルート上の案内板に限らず、プリンスエドワード島の様々な場所に地域や人物の歴史を説明したボードが設置されている。ルートを辿る観光形態は時に旅行者の「素通り」を生み出してしまいがちだが、旅行者に背景知識を伝え地域を物語化することで、滞在や消費を促し観光の効果を地域に還元することができる。

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写真3 港町ジョージタウンに設置されている案内板

 外国人のレンタカー利用については依然として課題も残っている。しかし外国人観光客のFITが進めばレンタカー観光の需要は高まると考えられ、ドライブルートの開発・PRの重要性は増していくだろう。観光客の地方誘致の一助となるレンタカー観光に関する整備が今後期待される。

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