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【フォトレポート】海外のバスターミナル事情

最終更新:2019-04-04 12:22:56市場レポート

東京では2016年4月、高速バスターミナル「バスタ新宿」が開業しました。これまで新宿各所に散らばっていた高速バス乗り場が集約され、新宿に発着する高速バスの利便性が高まったことは大いに喜ばしいことです。そのバスタ新宿ですが、インバウンドの観点から観察してみたことは皆さんおありでしょうか?バスタ新宿は日本で最も新しい大型バスターミナルですが、地方都市のバスターミナルの利便性はどうでしょうか?バスターミナルを再考する機会として、今回は3つの海外事例を紹介したいと思います。

最初に取り上げるのはカナダ第二の都市モントリオールの高速バスターミナルです。2011年に開業したこのバスターミナルは300ほどの路線が出入りする大きな交通拠点です。背後に見える建物は主に一般住宅として利用されており、高速バスターミナルと集合住宅がこのように近接しているのが特徴の一つです。内部にはカフェやレストランのほかレンタカー会社が入っており、バスターミナルからすぐに車を借りて出発することができるようになっています。

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写真1 モントリオールの高速バスターミナル

 地下鉄の駅Berri-UQAMとは直接つながっていないものの、300mしか離れていないため乗り換えに苦労することはありません。また写真2にあるようにエアポートシャトルの乗り場も近接しており、高速バスの利用者は様々な交通機関に容易に乗り換えられるようになっています。

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写真2 空港と市内を結ぶエアポートシャトル747番

 バスターミナルの内部は写真3のようになっています。乗り場の番号が頭上に大きく掲げられているだけでなく、電光掲示板で発車するバスの情報などが表示されています。写真左側に並んでいるのがバスの乗車ゲートで、飲食店やレンタカー会社のカウンターなどは右側に並んでいます。

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写真3 モントリオールの高速バスターミナル内部

 続いて紹介するのはボリビアの事実上の首都ラパスにある高速バスターミナルです。写真4に映っているようにターミナルの構造自体は比較的簡素なものとなっており、空調設備などはありません。バスタ新宿やモントリオールのバスターミナルと比較すると取り上げるポイントもないように思われますが、ラパスのバスターミナルの特徴は所狭しと並ぶ旅行代理店のオフィスです。

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写真4 ラパスの高速バスターミナル内部の様子

 高速バスターミナル内部には50以上の旅行代理店が入っており、国内路線のバスチケット手配のほかペルーやチリなど海外路線のバス手配、現地発着ツアーの手配などを行っています。もちろん旅行者の安全性や快適性において課題が多く残るボリビアですが、バスで到着した旅行者が手軽に料金を比較し現地ツアーを手配したり、自分のスケジュールに合ったチケットを手配できるバスターミナルはなかなかありません。

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写真5 バスターミナル内に設けられた旅行会社のオフィス

 今回はカナダとボリビアという国家の経済状況でいえば両極端ともいえる地域のバスターミナルを紹介しましたが、海外の様々な事例を比較することで日本のバスターミナルの課題や可能性が見えてくるのではないでしょうか。

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