INBOUND REPORT

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注目されるムスリムインバウンド①

最終更新:2019-04-04 12:23:30市場レポート

2016/03/01

世界人口の1/4をしめる「ムスリム」

最近、インバウンド市場ではイスラム教徒への対応に注目が集まっています。
イスラム教徒は「ムスリム」とも呼ばれ、世界総人口のおよそ23%を占めており、2010年から2050年までの間、世界総人口の成長率すら上回る成長率を示すと予測されています。
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増加する東南アジアのムスリム観光客、2020年には100万人に!

世界の1/4をしめるムスリムですが、実はイスラム教信者の7割はアジアに住んでいます。インドシア2億人、マレーシア1,700万人、フィリピン470万人、タイ400万人、シンガポールに72万人のムスリムがいます。
外務省による東南アジア諸国の訪日ビザ免除・緩和により、東南アジアからの訪日旅行客は年々増加しており、ムスリム向けの旅行会社であるCrescentRating(シンガポール本社)の2013年の調査結果によると、訪日外客総数のうち、東南アジア(タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・ベトナム)からのムスリム観光客が30万人を超え、2020年には100万人を超えると推定されています。
そのうち、特にムスリムの人口が多いインドネシア・マレーシアからの訪日外客は増加が著しく、これからも増々高まっていくであろうと推定されています。
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ムスリム旅行者の不安と期待とは?

ムスリム旅行者が海外旅行において最も懸念することは、イスラムの信仰を守りながら旅行できるかということです。特に「ルール・習慣」と「食事」に不安を持つ人々が多いという結果がででいます。
また、CrescentRatingの調査によると、ムスリム観光客は

  • 礼拝スペース
  • ハラール食事
  • 男女別レクレーション施設
  • 清潔な環境
  • シャトルバスサービス
  • 親切なもてなしとサービス

を望んでいます。
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日本でしたいことは?

マレーシアとインドネシアの現地ムスリムを対象とする調査によると、「東京」・「富士山」・「ディズニーリゾート」は両国とも訪問意向のある観光スポットトップ5位に入っています。そして、「桜・紅葉」・「雪」・「自然風景」・「ショッピング」は両国とも共通し、関心を持っています。
マレーシア人が訪日後に最も満足を感じたことは日本の食文化であり、その中でも代表的な日本食である寿司が人気No.1となっています。
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また、訪日マレーシア観光客における人気お土産はベスト5は、
1位 お菓子
2位 服・鞄・靴
3位 おもちゃ
4位 その他食品
5位 和服
となっており、お土産・物品購入平均金額は、42,834円。

マレーシア人口宗教構成

マレーシアはイスラム教が国教ですが、信教の自由を制定されています。2010年の調査によると、マレーシアにおける信教に関して、総人口の約99%が何らかの信教を持っていると答えられ、その内、最も多いのは61%を占めているイスラム教。そして、その値が72%に上がるであろうと推定されています。
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今後、経済成長、就航便の増加、観光ビザの条件緩和などが追い風となり、マレーシア・インドネシアからのムスリム旅行客はますます増加していくと考えられます。
国籍や宗教の違いを受け入れ、その背景にある文化を理解した上で、ムスリムを始め外国人が旅行しやすい環境を整備することが、今すぐにはじめなくてはいけない課題といえます。

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